皆さんこんにちは! 2019年から Uber Eats (ウーバーイーツ) 配達パートナーをしているケインと申します。
早速ですが、皆さん、確定申告はされていますか?
Uber Eats (ウーバーイーツ) の配達で稼いだら、一部の例外を除き確定申告が必要になります。
Uber Eats (ウーバーイーツ) だけでなく、menu (メニュー)、Wolt(ウォルト)、DiDi、出前館 (※業務委託パートナーのみ) といったフードデリバリーの仕事で得た収入は、通常のアルバイト収入のように源泉徴収された給与ではないので、売上から経費を引いた利益分に対してかかる税金を、確定申告して納める必要があるのです。
また所得の種類は給与所得ではなく、雑所得または事業所得に分類されます。
本記事では、Uber Eats の売上や経費の帳簿付け(記帳)から確定申告まで、自分でスラスラとできるようになることを目指して、お役立ち情報をまとめましたのでぜひご参考下さい!
ちなみに私は、2019年(令和元年)に青色申告の個人事業主として開業し(開業届+青色申告承認申請書を提出)、1期目となった2019年分の所得を翌年2020年に青色申告で確定申告した経験があります。⇒その時の記事はこちら!
2期目となる2020年分(令和2年分)も青色申告+e-Tax(電子申告)で確定申告し、65万円の青色申告特別控除を利用しましたよ!詳しくは本文をぜひお読みいただけたらと思います。
そもそも、本当に確定申告って必要?例外はないの?
冒頭で「一部の例外を除き」確定申告の必要がある、と申し上げました。確かに、例外は…あります!
以下に、例外的に確定申告をしなくて良いケースの例を挙げておきます。
【ケース1】ウーバーが副業で年間所得が20万円以下 ⇒ 確定申告の必要なし!
まず、ウーバーとは別に本業の収入があり、本業のほうで年末調整済の場合、年間所得が20万円以下なら確定申告の必要はありません。なお、ここで言う年間所得とは一年間の売上から経費を引いた金額です。
【ケース2】ウーバー専業で年間所得が48万円以下 ⇒ 確定申告の必要なし!
また、ウーバーが専業で、年間所得が48万円以下(※2020年(令和2年分)より38万円から48万円に改正されました)の場合にも、確定申告の必要はありません。
注意点1:住民税の申告と医療費控除など
ケース1、ケース2ともに、利益が1円でもあれば、住民税の申告書の提出は必要です。お住いの市区町村へ確認をお願いします。
また、自分で医療費控除 (下記参照) をする場合は、言うまでもなく、確定申告をしないと税金が戻ってきませんのでご注意ください。
注意点2:学生などで扶養に入っている場合
また、学生などで扶養に入っている場合は、合計所得が年間で48万円を超える場合は扶養から外れてしまいます。
ただし、これは開業届+青色申告特別控除無しの場合の話です。
本ブログで説明している方法で、開業届と青色申告申請書を提出し、ウーバーの稼ぎを事業所得として確定申告して最大55万円の青色申告特別控除を受けた場合には、103万円まで扶養の範囲内で稼げます(103万ー55万=48万円に収まります)。さらに確定申告をe-taxで電子申告で行えば上記の控除額がさらに10万円プラスの65万円になりますので、113万円まで扶養の範囲内で稼げます(113万ー65万=48万円に収まります)。
開業しても扶養には入れるようですので、扶養の範囲を広げる意味でも、青色申告は有効な手段となりそうです。また、この「48万円の壁」もしくは「103万円 or 113万円の壁」の扶養は詳しくは税扶養なのですが、これとは別に健康保険の扶養にも入っている場合が多いでしょう。この健保の扶養に入るためには130万円未満が要件となっている場合が多いようです。(※各健保により要件が異なるのでお問い合わせください)
どのみち、税扶養にしろ健保の扶養にしろ、親御さんが知らない間に扶養から外れてしまった一方で、親御さんが知らずに扶養に入れる手続をしてしまっていると、最悪の状況になりますのでくれぐれもご注意ください。
確定申告しないとどうなるか?
確定申告は義務です。『納税の義務』といわれているように、所得があると、国に対する債務が発生すると考えられます。
実際に、所得税の確定申告をしない場合には延滞税や無申告加算税など、余計な金額を上乗せして納税をしなければなりません。
したがって、上に述べた例外のケース1&ケース2以外で、確定申告する必要のある方は、なるべく期限内に、必ず確定申告をしましょう。
確定申告に必要なこと
確定申告が重要なことはお分かりいただけたと思います。それでは、確定申告をするには何が必要なのでしょうか。以下に順を追って説明します。
所得の分類は判断が難しい? 雑所得と事業所得にういて
ここで本題に入る前にまず、所得の分類について少し説明します。
冒頭で、Uber(ウーバー)等のフードデリバリーの仕事で得た収入は、雑所得または事業所得に分類されると申し上げましたが、自分の所得がどちらに分類されるかの判断はむつかしいところだとおもいます。
たとえば、事業所得の要件としては一般に下記のような項目が挙げられています。
1.自己の危険と計算において独立して行う業務か
2.営利性と有償性を有しているか
3.反復継続して遂行されて営まれているか
4.社会的地位が客観的に認められているか
会計ソフト freee社のHP より引用
ではUber(ウーバー)等のフードデリバリーの仕事はどうでしょうか。まず1に関しては、個人事業主として自らリスクを取り、相応の労力を費やした業務であるということで、クリアできていると思います。また2に関しては、報酬という形で営利性・有償性は目に見える形で発生していると考えられます。続いて3に関して。これは、定量的に示されているわけではないのですが、ある税理士の方にお聞きした見解によると、単発で配達したり、土日祝だけ片手間にやったり…といった頻度では反復継続しているとは言い難いので雑所得となり、少なくとも土日祝だけでなく平日もやっていて、日々相応の労力をかけてやっていれば反復継続しており事業所得といえるのではないか、という話でした。最後に4ですが、これだけメディアでも紹介されて社会的認知を十分に得ている仕事ですので、充分クリアでしょう。
以上をまとめると、Uber(ウーバー)等のフードデリバリーの仕事は営利性等はクリアしているから、あとはどのくらいの頻度で稼働しているかによって、雑所得か事業所得か判断できるのではないかと思われます。
また、経費についての考え方は雑所得でも事業所得でも一緒で、売り上げを得るために必要な費用が経費として認められるようです。そして、共に売上から経費を引いた金額が所得になります。
なお、本記事では、事業所得として確定申告することを前提に、帳簿の記帳方法から確定申告のやり方までを説明していますのでご了承ください。
年間の売上と経費を帳簿に記帳する
それでは本題に戻ります。
確定申告するにあたって、まず必要なのは、1年間(1月1日~12月31日)の売上と経費を把握することです。
(売上ー経費)でプラスになった利益分が所得となり、この所得からもろもろの控除を引いた金額に課税されるわけですから、当然これらを帳簿に記帳し、把握していることが前提となります。
帳簿とは、元はといえば紙ベースで、仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳などから構成され、最終的には決算書にまとめられるもので、7年間の保存の義務があります。ですが、Uberの売上のように完全に電子化されているものに関して紙と鉛筆ベースで作成することは非効率ですので、基本的には会計ソフトなどに入力していくことになります。会計ソフトは内部で売上や経費のデータをデータベースとして一元管理しており、それをもとに逆に上に述べた本来の帳簿形式(仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など)で出力することが可能ですので、印刷して保存しておけば保存義務を果たせます。
また、忘れてはいけない一番のメリットとして、確定申告書作成(青色申告の場合は決算書も)、各種控除入力→提出まで自動でやってくれるという最大のメリットがあります。したがって、Uber(ウーバー)等のフードデリバリーの仕事において、会計ソフトはほぼ必須といえるでしょう。
ここで、数ある会計ソフトの中でも、自宅のWindowsでもMacでも、外出先のスマホでもアクセスできる、クラウド会計ソフトがおすすめです。僕は3大クラウド会計ソフトの、会計freee(フリー)、マネーフォワードクラウド確定申告、やよいの青色申告オンラインのうち、「やよいの青色申告オンライン」を使っています。やよいの青色申告オンラインは簿記の知識がなくても「かんたん取引入力」機能で売上や経費のほとんどのパターンを入力できますし、簿記の知識がある人は「仕訳の入力」機能で、現金受領やデポジット、家事案分などの複雑な仕訳も直接入力することができ、ちょうど良く難易度のバランスがとれている素晴らしいソフトだと思います。
↓↓↓ クラウド会計ソフトについてはこちらの記事もぜひご参考下さい ↓↓↓
Uber Eats 売上帳簿の記帳方法。会計ソフトは何が良い? | KAYNE Delivery Blog (kdeli.net)
会計ソフトに入力する前段階として、エクセルにまとめたり、ノートに手書きでメモされる方もいるかもしれません。これから説明する内容は、そういう売上台帳のようなものに記載することをイメージしていただいても結構です。
売上の記帳
Uber (ウーバー)の売上は、管理画面で週ごとの売上の合計が確認できます。また、日々の明細を見ることもできます(配達の売上、ブースト、インセンティブ、現金受領/Uberへの不足金の支払い、チップなど含む)。これを利用して、帳簿に記帳していくとよいでしょう。
例えば、その週の売上が1万だった場合に、売上を仕訳入力方式で記帳する場合、次のようなパターンが考えられます。
(A)現金振り込みベースで記帳するパターン
現金振り込み日において:普通預金 100000/売上 100000
まず上記(A)のように、現金が登録している預金口座に振り込まれる日付で、売上100000円を普通預金として入力する方法が考えられます。(現にほかの有名ブロガーさんの記事ではこのパターンが紹介されています)
しかし、これでは「現金主義」になってしまい、後で説明する最大65万円の控除が適用される「青色申告(複式簿記)」で確定申告をしたい場合には、この(A)の方法はあまりよろしくないとと私は考えています。
「発生主義」vs「現金主義」、そして「売掛金(うりかけきん)」とは?
簿記における売り上げの計上時期の考え方において、「発生主義」と「現金主義」というのがありまして、少なくとも日本における帳簿の記帳の仕方のベースとなっているのは「発生主義」が基本的な考え方です。
ここで「発生主義」というのは、売り上げが立つのが確定した時点で、売上を計上する(記帳する)という考えです。
一方「現金主義」とは、確定した売上に対して、代金が入金された時点で売上を計上するという考え方です。
つまり、Uber (ウーバー) の場合は週払いになっていますが、まず日々稼働して売上が確定し(①)、日曜日が1週間分の締め日となり、日曜日までの1週間の売上の合計が、翌週の定められた曜日に振り込まれる振込額として確定し(⓶)、実際にその曜日に振り込まれる(③)といったように、入金までにタイムラグを要するプロセスを経るわけですので、日本の基準である「発生主義」で考えると、少なくとも①か②でないといけないと考えるわけです。
もっと具体的に踏み込んで言うと、上記(A)のように「現金主義」で記帳していくと、必然的に単なるお小遣い長のように売上で現金がいくら入った/経費で現金がいくら減ったの、簡単な記録(=簡易簿記)になっていきますので、後で説明するように大きく分けて3パターンある確定申告の方式の「白色申告(簡易簿記)」、「青色申告(複式簿記)」、「青色申告(簡易簿記 or 現金主義)」のうち、最大65万円の青色申告特別控除(節税の観点で一番メリットがある)が適用される「青色申告(複式簿記)」にならないのではないかということです。
ちなみに、「青色申告(簡易簿記 or 現金主義)」では青色申告特別控除は10万円までしか効かず、「白色申告(簡易簿記)」に至っては控除額はありません(0円です)。
さらに厳密には青色申告で現金主義を採用するためには専用の手続きが必要なようです。
もちろん、簡易簿記で、さらには現金主義で帳簿を記帳するということは、我々のような小規模な事業者にとっては負担が少なく、むしろ向いている方法である(複式簿記で決算書作成するほどの規模ではないという意味で)のですが、控除額が少なく、追加で手続きが必要なことも踏まえると、国としては制度的に推奨していないと思われます。
ではなぜ推奨されていないのか。その理由の一つとして、我々が簡易簿記or現金主義の場合は、上に述べたような売上発生から入金までのタイムラグが記録されない一方で、支払元のUberは「発生主義」にもとづいて複式簿記で記帳しているでしょうから、Uberから見た場合の「預り金発生から振込までのタイムラグ」が我々に対する売上計上のタイミングと紐づけられないことになり、お金の流れを把握する観点からいろいろと不都合だからではないかと個人的には予測しています。
そういうわけで、別にお上に従いたいというわけではないですが、税制優遇は最大限受けたいわけでして、しぶしぶ「発生主義」できちんと記帳して、「青色申告(複式簿記)」で確定申告をしようと思っている次第です。
なお、売上が確定しているものの、まだ振込されていない未回収の売上のことを「売掛金(うりかけきん)」と呼びます。
さて、長くなってしまいましたが、話をもとに戻しますと、とにかく上記(A)のパターンは「青色申告(複式簿記)」の観点からはよろしくないということですので、そのやりかたを改善していった、次の(B)や(C)はどうでしょうか。
(B)1週間ごとに売掛金を記帳するパターン
週の売上(=振込額)確定日において:売掛金 100000/売上 100000
現金振り込み日において:普通預金 100000/売掛金 100000
このように、少し面倒ですが、2段階踏むと発生主義となり、青色申告(複式簿記)の方法でやるにもギリギリ耐えられるOKラインかと思われます。ただし、この方法でも注意点があり、まず個々の売上が確定するのは1日単位なので、本来は1日単位で売上を計上すべきということです。ただ、Uber (ウーバー) の場合は毎週決められたルールで締め日があって、それまでの合計が入金されるので、あとでUberのページにあるCSVファイル(売上明細)などから1日単位で記録をさかのぼれる状況であれば、このように簡易的にまとめて記帳しても大丈夫とのことでした。
なお、帳簿への記帳の最小単位は1日とのことです(さすがに何時何分まで発生時間を記録する必要はないということですね…)
(C)きちんと毎日、売掛金を帳簿に記帳するパターン(本来はこれ)
さて、本来はこうすべきというのがこの(C)のパターンで、仕訳入力方式で、下記のように記帳します。
稼働日において:
1日分の売上 ➡ 売掛金 X万円 / 売上 X万円
現金受領した場合 ➡ 現金 Y千円 / 売掛金 Y千円 (売掛金がプラスの間はこうして現金を充てて売掛金を減らしていく)
現金 Z千円 / 預り金 Z千円 (売掛金がマイナスになった場合は預り金として計上する)
預り金 Z千円 / クレジット未払金 Z千円 (Uberにクレジットで不足金を支払った(=預り金を返した)時)
クレジット未払金 Z千円 / 預金 Z千円 (Uberへの不足金が引き落とされた時)
いかがでしょうか。確かに厳密にはこれが正しいのでしょうが、少々手間がかかりすぎるかとも思います。
(D)現実的な方法その1:1週間ごとの記帳と1日ごとの記帳のミックス
そこで、厳密性を保ちつつ現実的な帳簿の記帳方法としては、基本は1週間ごとにまとめて記帳していき、年末年始の区切りのところは1日単位できちんと記帳するというのがよさそうです。
年末年始の区切りのところで厳密に1日単位にしないといけない理由は、週の途中で12月31日→1月1日に変わる場合、12月31日までに確定した売上(売掛金)は今期の売上に計上して今期の確定申告の対象となりますが、1月1日以降に確定した売上(売掛金)は来期の売上に計上して来期の確定申告の対象となるからです。
例えば2021年末(令和3年末)の12月最終週の場合、下記のようになります。
12/27(月)~12/31(金) | 1/1(土)~1/2(日) | 1/4(火) |
2021年(令和3年)度の売上= (売掛金)に計上 | 2022年(令和4年)度の売上= (売掛金)に計上 | 12/27(月)~1/2(日)分の売上の振込日= 上記1週間分の売掛金→預金として回収 |
もし、12月31日→1月1日で区別せずに、1/2(日) が終わった後に1週間分をまとめて記帳した場合はどうでしょうか?
本来、2021年(令和3年)度の売上(売掛金)に計上すべき12/27(月)~12/31(金)の売上分まで、翌年の売上(売掛金)に計上してしまうので、2021年の売上を過少申告してしまうことになります。意図的にではないにせよ、これは課税を逃れていることになるので避けたほうが良いでしょう。
売上はアプリ上で1日単位で確定していますから、1/2(日)が終わって翌日早朝5:00くらいに1週間分確定するのだ!と言い張るのは少々苦しいかと思います。
また同じ原理で、年末以外の1~11月の月末→月初の切り替わりのところも、本来は1日単位で厳密に記帳すべきです。
青色申告決算書の中にも、月ごとの売上を記載する欄がありますから、そこの数値が実態とずれることになります。
しかしながら、月ごとの売上がずれていても、年末年始さえ合わせておけば一年間の売上は実態とあっていますので、課税額は変わりません。したがって年末年始よりは優先度は低く、毎月末やらなくてはいけない手間を考えると、年末以外の1~11月の月末→月初の切り替わりは厳密にやらなくて良いと、割り切るのもアリだと思います(※個人の見解です。詳細は専門家の意見をお聞きください)
但し、月ごとの売上を厳密に実態と合わせておいた方が良い場合もあります。それは、持続化給付金などを受けることを想定した場合です。
2020年に支給された持続化給付金は、給付額を算出する際に、ある月の売上が前年同月比でいくら減ったか、という計算をする必要がありました。今後、同様の計算方法で支給されるタイプの持続化給付金が出てくる可能性もありますので、もし給付を受けることが想定される場合には、月末処理をきちんと行い、各月の売上をきちんと実態と合わせて確定申告をしておいた方が良いと思います。
(E)現実的な方法その2:「期中現金主義」を適用
もう一つの方法は、期中現金主義と呼ばれる方法を使うことです。
調べてみると、
期中現金主義とは、(現金取引でないにもかかわらず)期中の取引を売掛金勘定、買掛金勘定、未払金勘定を使わずに入金時に売上を計上し、支払時に仕入高や経費を計上する方法です。「何のために月次決算を行うのか」「月次決算を経営上どのように評価するのか」はそれぞれ異なりますが、少なくとも期中現金主義で作られた月次損益計算書を用いてそのまま経営判断や経営評価に利用するのはリスクがあると思われます。
https://cuttingtheknot.com/contents/accounting/monthly/monthly002.html
とありますが、具体的にはどのような方法でしょうか?
Uberの場合は、日々の売上が確定してそれを売掛金として計上し、翌週の振込日に確定した売上分が振り込まれる(売掛金が回収される)のが実態であるというのは先に述べたとおりですが、この仕訳を期中は売掛金を使わずに翌週に振り込まれる額だけを記帳していき、期末(年末)だけ売掛金を使って年内に確定した売上だけをきちんと記帳する方法です。
例えば、期中のある週に100000円の振り込みがあったら、 下記のような仕訳を帳簿に記帳します。
振込日において:現金 100000 / 売上 100000
一方、年末だけは売掛金を使って年内に確定した売上だけを記帳するので、例えば2021年末(令和3年末)の12月最終週の場合、下記のようになります。
12/27(月)~12/31(金) | 1/1(土)~1/2(日) | 1/4(火) |
2021年(令和3年)度の売上= (売掛金)に計上 | 2022年(令和4年)度の売上= (売掛金)に計上 | 12/27(月)~1/2(日)分の売上の振込日= 上記1週間分の売掛金→預金として回収 |
従って(D)で述べた1週間ごとにまとめて記帳する方法を、さらに簡単にしたものという風にも見れますね。
この方法では、期中はあたかも現金主義のごとく記帳していますが、期末において一年分をきちんと発生主義になるように調整しているので、年間で見れば原理的には発生主義ですべて記帳したのと一致するはずです。
また、最大65万円控除となる青色申告の要件も満たしていることになります。
但し、月末処理をやらないので、月ごとの売上が実態とずれてしまう点は、(D)で述べた方法で「月末処理をしない場合」と同じですので、2020年の持続化給付金の時のように、月次売上の厳密な金額が必要となる場合には、同様に注意が必要です。
この方法が、今まで紹介した中では一番楽ですが、上記のようなリスクがあることも含め、このような方法もあるのだという風に参考にしていただけたらと思います。
(F)その他 ~ Uber手数料の記帳
なお売上を、Uber手数料を引いた後の値(ネット(正味))で計上するなら以上でOKです。
ネット(正味)ではなく、Uber手数料を引く前の値(グロス(総額))で計上する場合は、下記のように日々においてUber手数料も経費として計上します(勘定科目は「支払手数料」が良いでしょう)。
稼働日において:支払手数料 ○○千円/売掛金 ○○千円
なお手数料に関しては、売り上げの10%が手数料となり、売掛金を超えることはないので売掛金がマイナスになってUberに返金するということはなく、上記のパターンのみとなります。
売上の仕訳と勘定科目についての参考記事はこちら
上記の(C)のようにきちんと毎日、仕訳入力で帳簿を記帳していく場合は、下記の記事をぜひご参考ください。
よく使う仕訳例と、どのような勘定科目(売掛金、預り金、未払い金、支払手数料など)を使用したらよいかについてわかりやすく解説しています。
経費の記帳
スマホ料金、配達車両のメンテナンス費用(レンタルの場合はその費用)、など、経費として計上できる費用があり、これらも帳簿に記帳すれば売上から経費として差し引いて課税される所得を減らすことができます。
なお、経費に計上するためにはレシートや領収書を用意しておくことが必要です。これは経費計上の根拠となる、支払日・支払先・支払額・支払内容を客観的に証明するために欠かせません。これがないと原則経費として認められませんので、必ず発行してもらい、保管しておくようにしましょう。もし紛失したり、レシート・領収書事態を発行してもらえなかった場合には、出金伝票でも認められる場合があるようです。
また、レシート・領収書・出金伝票共に、7年間保管しておくことが必要ですのでご注意ください。
経費精算にも使えるおすすめのクレジットカードの紹介
各種経費の精算には、クレジットカードが便利です。皆さんもすでに活用されているかと思いますが、Uber Eats 配達用の銀行口座に紐づけたクレジットカードを経費精算専用にしておけば、確定申告の際にクラウド会計ソフトに履歴をCSVファイル経由で取り込んだり、クレジットカード連携機能を使って登録したカードの履歴を直接取り込んだりもできるので大変便利です。
皆さんはクレジットカード選びで何を重視されますか?
ご存じのとおり、クレジットカードでは使用金額に応じてポイントが還元され、支払いに使える各種ポイントやマイルなどに交換できる特典がありますので、やはりまずはポイントの還元率の高さが気になるところではないかと思います。
高還元率カードといえば、楽天カード、リクルートカード等が有名ですし、ドコモユーザーでしたらdカードゴールドを使われている方もいるかもしれません。他にもたくさん、それぞれ特徴のあるカードがありますよね。
数あるクレジットカードの中で僕のおすすめは「楽天カード」「セゾンアメックスパール」「spgアメックス」の3つです。詳しくは下記リンク先の紹介ページをご覧ください。
当ブログ限定の入会特典もありますので、ご興味のある方はぜひご参考下さい!
青色申告と白色申告の違い
事業所得で申告する場合には、青色申告と白色申告とよばれる2つの方法があります。
このうち、白色申告というのは、次で説明する青色申告申請書を提出「しない」場合、つまり特に何もしない場合の申告方法で、特に専用の用紙などがあるわけではなく、青色申告ではない通常の申告方法の通称です。
何もしなくでよいだけあって、最大で65万円になる青色申告特別控除という優遇が受けられません。
最大65万円控除されるということは、課税対象となる所得(売上ー経費)からさらに最大65万円を差し引くことができるということで、所得税率10%なら住民税と合わせて13万円、所得税率20%なら住民税と合わせて19.5万円の節税になるということです。結構大きいですよね。
なお、青色申告特別控除を受けるための要件は、まず青色申告+複式簿記で帳簿を記帳+決算書(損益計算書と貸借対照表)を提出することで55万円まで控除が得られ、さらにe-taxによる電子申告または電子帳簿保存を行っていればさらにプラス10万円控除が得られることになっています。つまり、これら2つの要件がともに満たされて初めて、最大65万円の控除が適用されるという点には注意が必要です。
(※簡易簿記の方法と現金主義の方法では、e-taxによる電子申告および電子帳簿保存の要件を満たすか否かに関係なく、最大10万円控除どまりです)
青色申告するには開業届+青色申告申請書の提出が必要
ただし、青色申告をする場合は、青色申告申請書を提出する必要があります。
提出期限は、すでに開業している場合に白色申告から切り替える場合は、その年の確定申告期間が終わるまでです。コロナ前の例年ですと3月15日までですが、2021年は確定申告期間が1か月延長されていますから2021年4月15日(木)までですね! また、その年に開業する場合は、開業届を出してから2か月以内が提出期限です。
なお、開業届と青色申告申請書を作成するのは、スマホでも無料で簡単に作成できる開業freee(フリー)がオススメです。
開業freee(フリー)のアプリに必要事項を入力していくだけで、非常に簡単に作成できますよ。完成したらプリントアウトして印鑑押してマイナンバーを記入し、税務署に郵送か直接持って行って提出すればOKです!
青色申告にも2種類ある?白色申告でも必要?帳簿の作成と保存義務
また、最大65万円の青色申告特別控除が認められるためには、複式簿記で帳簿を記帳し、確定申告時に青色申告決算書を添付して提出する必要があります。(※簡易簿記で青色申告するパターンも選択可能ですが、その場合は控除額が10万円になります)
そしてさらに、作成した帳簿は7年間の保存義務があるのです。
一方注意したいのは、白色申告でも、決算書の提出の必要はないものの、普段の売上や経費は簡易簿記で帳簿を記帳し、同じく7年間の帳簿の保存義務があります。つまり、義務としては同等といったところでしょうか。
以上いろいろと説明しましたが、とにかく青色だろうが白色だろうが、複式簿記だろうが簡易簿記だろうが、色々面倒ですよね。
しかし、実際の帳簿の記帳というのは、会計ソフト使用を使用してやるのがほぼ前提ですので、その場合には複式簿記でも簡易簿記でも入力の手間は大して変わりません。
従って結論としては、せっかく事業所得で申告するなら、青色申告でやったほうがメリットが大きいと言えるでしょう。
青色申告するなら、クラウド会計ソフトがおすすめです。3大クラウド会計ソフトと言われている、会計freee(フリー)、マネーフォワードクラウド確定申告、やよいの青色申告オンラインは全て、青色申告に対応しています。
僕は、帳簿の記帳と青色申告決算書の作成に、やよいの青色申告オンラインを使っています。使いやすくてオススメです!
本記事のまとめ
それでは最後に、本記事のポイントについてまとめます。
【重要ポイント1】e-Tax申告 または 電子帳簿保存でやっと最大控除額の65万円になる
先ほども説明しましたが、もう一度ここで強調しておきます。令和2年分の確定申告から青色申告特別控除額が単体では65万円→55万円に変更され、e-Tax申告 または 電子帳簿保存を併用することで適用される10万円の控除を加えてやっと、最大控除額の65万円に達しますのでご注意ください。
【重要ポイント2】その他のパターン:開業届は必要?開業届だけ出して白色申告は?etc.
開業届は出さないといけないとされていますが、出さないと罰則があるわけではないというもののようです。
また、白色申告の場合は、青色申告特別控除は受けられず、控除額は0円です。
開業届と青色申告申請書を作成するのは、スマホでも無料で簡単に作成できる開業freee(フリー)がオススメです。
【結論】Uber (ウーバー) の売上の確定申告は「青色申告(複式簿記)」がおすすめ
以上をまとめて結論としては、どうせやるなら税制で最大限優遇されている「青色申告(複式簿記)」でやったほうがオススメで、その手間をできるだけ省いて効率化を図るにはクラウド会計ソフトなどを活用することが必須ということになります。
「青色申告(複式簿記)」による確定申告までの詳しい手順は、下記の記事もぜひご参照ください!
「自分でやるのは面倒」「正しくできるか不安」といった方は、税理士に頼むのもアリ!
本記事では、ウーバーイーツの確定申告を自分でできるようになることを目指して説明してまいりましたが、実際に読んでいただいていかがでしたか?「これならできる!」と思っていただけた方は、ぜひトライしてみていただけたら幸いです。
逆に、「自分でやるのは面倒そう!」「正しくできるか不安…」といったかたもいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、税理士に頼むのもアリだとおもいます。
確定申告を自分でやると、費用が掛からない(クラウド会計ソフトの使用料くらい?)というメリットもありますが、とにかく時間がかかります。
僕は初年度は20時間くらい、2年目も10時間以上はかかりました。。
今思えば、その時間を、本来の仕事で稼ぐ時間にあてたり、稼いだお金でエンジョイする時間にあてられるほうが良いという考えもありますね。
また、やはり色々調べながらやらないといけないので、手間がかかって面倒です。自己流でやっていると、何年か後に税務署から問い合わせがきて間違いが発覚したときに、それまでの全ての年度で修正申告をやりなおさないといけないそうです。これは厄介ですね。。
一方、税理士さんに頼むと、帳簿の記帳から確定申告まで全てお任せで丸投げ出来て、税務署からの問合せにも代理で対応してもらえるようです。
帳簿付けや確定申告の面倒さや、期限が迫ってくるときの重苦しい気分、また税務署からの問合せがくるかもしれないと何年間もびくびくするといった不安から、完全に開放されるというのは、まさにプライスレスなのではないでしょうか。
税理士に頼む場合は、ウーバーイーツの確定申告に対応してくれる税理士事務所を探すのがおすすめです。
登録と紹介料は無料ですので、ぜひお気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか?
無申告の場合でも過去にさかのぼって対応して頂ける事務所もあります。
下記のリンクをぜひご参照ください!
税理士に頼むなら Uber Eats の確定申告を専門とする税理士事務所がオススメです。
税理士ドットコム なら、全国で6000名以上登録されている税理士の中から、フリーランス(個人事業主)である Uber Eats ・出前館・Wolt(ウォルト)などのフードデリバリー配達パートナーの確定申告に強い税理士を探すことができます。
もちろん、登録無料です!
また「これって経費になるの?」「税金の支払いを抑えたいんだけど…」といった税金にまつわる相談を受けられるのは国家資格を有する税理士にしかできない独占業務ですので、のちのちのことを考えると素人判断ではなくプロに相談するのが安心でしょう。
自分でどう探して良いかわからない…そんな場合は希望を伝えると、要望にあった税理士を紹介してもらうこともできます。
また既に税理士に頼んでいる方で「税理士費用をもっと抑えたい」といったニーズにも対応可能です。
登録は簡単で「お住まいのエリア→お名前→Eメールと電話番号→ご要望」を登録フォームでお伝え下さい!
詳しくはこちらから👇
終わりに
本日は以上です。本記事が皆様の役に立つきっかけになれば幸いです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
コメント